せざるを得ずに男料理の腕試し
私の妻は昔風で男子厨房に入らずという考えですから、私は育児はともかく家事特に料理などはできるだけ手を出していませんでした。
ところが、妻が入院したときに10日間ほどだけ突然やむを得ず家事一切をしました。そのときは料理もレシピまでは見ませんでしたが、事前に何を作るか考えて材料を買い、包丁や茶碗、しゃもじ、まな板などをわかりやすい場所に整えておき、料理を作りました。そのときは子供が小さかったため、子供向きのメニューであまり手抜きができませんでした。子供たちが食べられるものを作りました。結婚以来、台所に立ったことがないのに、子供たちが朝早く行くために手際よく味噌汁まで作って、主食のご飯、副食のおかずまで作りました。子供たちもそのときは「味噌汁の味が薄い」「卵焼きがくずれている」などと文句はいいましたが、ちゃんと好き嫌いなく食べてくれました。妻が料理すると結構嫌いなものは食べ残すのに不思議なものです。このときは、私の頭も体もフル回転で無我夢中でした。今から考えてもよくしたものだと我ながら感心したものです。
それから、10数年後にまたもや男料理の出番が来ました。今度は妻が右手を骨折し、料理ができなくなりました。以前にしたからと思い、俄然ハッスルしましたが、いかんせん今回は子供たちは大きくなり、飲み会だとか旅行に行くとかで家族で食べるのは、ほとんど私と妻だけでした。私ら夫婦二人だけでは、節約、節約となり、買い物に行きません。家庭菜園で野菜だけはたくさん取れるので、ほとんど野菜だけで済ませました。野菜の料理といえば、生でサラダか煮物かでバリエーションがあまりありません。昨日はカレーで今日は肉じゃが、明日はシチューと同じ材料の使い回しです。
それから前回の料理は冬でしたが、今回は夏でした。火を使うと暑いことこの上なしで、料理をし終えるころには汗だくだくでむかむかしてきて、とても食欲がわく状態ではありませんでした。自分が夏場の台所に立ったことがなく、妻の苦労が初めて実感できました。よく気持ちが悪くてほしくないといっていましたが、まさにそのとおりになりました。男が料理をするのは今は当たり前でしょうが、経験してないといざというときにできないことと、誰かが喜んで食べてくれないと作る意欲がわかないことがよくわかりました。